金閣寺は、京都市北区にある臨済宗相国寺派の寺院。あの黄金の建物が池に臨んでそびえたつ姿は、テレビなどでおなじみの光景です。正式名称は「鹿苑寺 (ろくおんじ)」ですが、舎利殿「金閣」があまりにも有名なため、一般に金閣寺と呼ばれています。

2 層目と 3 層目に純金の箔 (はく) が張られ、屋根の上ではやはり黄金の鳳凰 (ほうおう) が輝いているという、この世のものとは思えない美しさ。それもそのはず、金閣を中心とした庭園と建築は極楽浄土をイメージして造られたと言われています。一度は生で見てみたいと毎年多くの人が訪れる、京都指折りの観光名所。皆さんもぜひ一度、訪れてみてはどうでしょうか。

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金閣寺の歴史

金閣寺は現在では、臨済宗相国寺派の大本山「相国寺」の塔頭寺院ですが、元は鎌倉時代に勢力を持っていた西園寺家の「北山第 (きたやまてい)」という豪勢な別荘でした。しかし、鎌倉幕府の滅亡とともに西園寺家も勢いを失い、北山第は荒廃してしまいます。その後、室町幕府三代将軍の足利義満がこの別荘を譲り受け、山荘「北山殿 (きたやまどの)」を造営。この山荘は、明の勅使を迎えるなど、北山文化の開花に大きく貢献しました。

そして義満の死後、その遺言によって寺院となったのが現在の金閣寺です。この時、義満の法号である鹿苑院殿から 2 文字を取って「鹿苑寺」と名付けられました。1994 年には、「古都京都の文化財」の 1 つとしてユネスコの世界文化遺産に登録されています。

金閣寺の見どころは ?

金閣寺を訪れたら、黄金の舎利殿の美しさをじっくりと堪能しましょう。金箔の建物と一言で呼ばれることの多い金閣寺舎利殿ですが、実は層ごとに様式が異なります。一層目は寝殿造で二層目は武家造、そして三層目は禅宗仏殿造となっており、3 つの様式が見事に調和してあの美しい外観が作り出されています。

金閣寺でもう 1 つ注目したいのは、後水尾 (ごみずのお) 上皇のために造られた小さなたたずまいの茶室「夕佳亭 (せっかてい)」。「好みに任せて作った家」を意味する数寄屋造で、南天の木を使った「南天の床柱」や中央に鶯宿梅 (おうしゅくばい) の木を据えた三角の「萩 (はぎ) の違い棚」など、さまざまな趣向が凝らされています。たった 3 畳という小さな茶室をのぞき込んで、当時の茶席の様子を思い浮かべてみましょう。

金閣寺近くの見どころ

金閣寺の周辺には、エリザベス女王に絶賛された石庭で有名な龍安寺や、学問の神様、菅原道真公 (すがわらのみちざねこう) をまつる北野天満宮、真言宗御室派の総本山仁和寺などがあり、さらに足を延ばせば二条城や京都御所に、平安神宮、八坂神社と、挙げきれないほど多くの名所があります。また、「送り火」で知られる大文字山のふもとには、金閣寺同様、相国寺の塔頭寺院である銀閣寺が建っています。

京都には本当にたくさんの観光名所がありますが、京都市交通局が発行する「バス一日券」や「地下鉄・バス一日 (二日) 券」、時間内乗り降り自由の「ホップオンホップオフバス」などを利用すると効率よく回ることができます。

京都の金閣寺

Stephan Audiger | 旅のプロ