古都の歴史を残す奈良には、独特の食文化が残されています。奈良でグルメを楽しみながら、日本の歴史に思いをはせるのはいかがですか。明日香村の「飛鳥鍋」は、約 1,300 年前の飛鳥時代までさかのぼる歴史を持つ郷土料理。内陸にある奈良ならではの味覚として発達したのが「柿の葉寿司」です。

お寺の多い奈良ならではの料理を体験するなら、東大寺の伝統行事から始まった「茶がゆ」や、精進料理の「奈良のっぺい (のっぺ)」がおすすめです。

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    茶がゆ

    「大和の朝は茶がゆで明ける」と言われたほど

    茶がゆ
    • 食事

    茶がゆは、1,200 年以上前から奈良の人々に愛されてきた伝統的な朝食です。東大寺の「お水取り」行事で僧侶に供された食事がルーツと言われています。

    煮出したほうじ茶で米を煮込んだ茶がゆは、水分が多くさらりとした口当たりが特徴で、消化もよく腹もたれすることがありません。底冷えのする寒い冬に体を温めてくれるだけではなく、食欲の落ちる夏には冷やしていただくなど、さまざまなアレンジで味わえます。茶がゆの付け合せには、白ウリなどを酒かすに漬けた奈良漬けがぴったりです。

    所在地 : 日本 - 奈良県

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    飛鳥鍋

    日本の歴史にさかのぼる伝統的な鍋料理

    飛鳥鍋
    • 食事

    飛鳥 (あすか) 鍋は、鶏肉の出汁に牛乳を加えた珍しい鍋料理で、奈良県の中でも特に明日香村の郷土料理として伝えられてきました。この鍋の歴史は古く、約 1,300 年前の飛鳥時代に渡来人が持ち込んだ乳製品から始まった、とも伝えられます。

    日本で一般的に牛乳が広まったのは江戸時代からですが、明日香村周辺の地域では、飛鳥時代から貴族などを中心に、食用に使われてきました。まろやかでクリーミーな味わいの飛鳥鍋は、特に冬の季節におすすめです。

    所在地 : 日本 - 奈良県明日香村

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    写真提供 Yanagida Tetsuo (CC0 1.0) 修正済

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    いなり寿司

    花見や紅葉狩りのお供としても最適

    いなり寿司
    • 食事

    甘辛く煮含めた揚げの中に、刻んだ紅しょうがやゴマなどを入れた酢飯を詰めた「いなり寿司」は、ちょっと小腹が空いたときや移動の際につまむのに便利な、日本ならではの携帯食です。

    柿の葉寿司や朴の葉 (ほうのは) 寿司、めはり寿司など、奈良県にはさまざまな名物寿司がありますが、いなり寿司もその 1 つ。いなり寿司は、寿司屋のほか、うどん店などでも提供されることが多く、麺類の付け合せとしても人気です。

    所在地 : 日本 - 奈良県

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    柿の葉寿司

    奈良を代表する名物グルメ

    柿の葉寿司
    • 食事

    柿の葉寿司は、鮭やサバの切り身を載せた酢飯を柿の葉に包んだ押し寿司で、奈良を代表する郷土料理として知られます。奈良地方では古くから、タンニンを含み殺菌効果のある柿の葉が食品の保存に使われてきました。

    濃い緑色の柿の葉と白い酢飯が色鮮やかな柿の葉寿司は、目に美しく、食べておいしい奈良県筆頭の名物グルメです。駅弁や行楽のお供としてテイクアウトもできますが、専門店でじっくり味わうこともできます。

    所在地 : 日本 - 奈良県

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    饅頭 (まんじゅう)

    日本の饅頭発祥の地として神社になっているほど

    饅頭 (まんじゅう)
    • 食事

    古都奈良には、長い歴史に裏付けられた食文化が多く残されていますが、私たちが日常的に親しんでいる和菓子「饅頭 (まんじゅう)」もその 1 つ。

    14 世紀に中国から日本にやって来た林浄因 (りんじょういん) が、中国の饅頭 (まんとう) を参考に、小麦粉を練った皮に甘いあんを詰めた蒸し饅頭を作ったのが始まりと伝えられます。奈良の漢國 (かんごう) 神社には、その林浄因をまつる饅頭の神社「林神社」があり、毎年 4 月 19 日には饅頭まつりが開催されます。

    所在地 : 林神社 : 〒630-8242 日本 - 奈良県奈良市漢国町二番地

    電話番号 : (+81) 742-22-0612

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    三輪そうめん

    日本の手延そうめん発祥の地

    三輪そうめん
    • 食事

    兵庫県の播州そうめん、香川県の小豆島そうめんと並んで「日本三大そうめん」として名高い三輪そうめん。奈良県桜井市を中心とした三輪地方の特産品で、その歴史は遠く奈良時代までさかのぼります。三輪の地にある大神 (おおみわ) 神社の宮司の子孫が、飢えに苦しむ人々を救う食物として啓示を得たのがそうめんの始まりと伝えられます。

    今でも桜井市には、そうめん流しや釜揚げ、にゅうめんなど、さまざまなメニューで三輪そうめんを堪能できるお店が数多くあります。柿の葉寿司と一緒にいただくのもおすすめです。

    所在地 : 日本 - 奈良県桜井市

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    写真提供 ちぃこ (CC BY 2.0) 修正済

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    奈良のっぺい (のっぺ)

    肉を使わないのが奈良スタイル

    奈良のっぺい (のっぺ)
    • 食事

    奈良のっぺい (のっぺ) は、東北や北陸地方に伝わる「のっぺい汁」とは異なり、汁の少ない煮物であり、しかも肉類を使わない精進料理なのが特徴。大根や里芋などの根菜に、油揚げやこんにゃく、干し椎茸などを加えて薄味の出汁で煮含めます。

    また、奈良のっぺいではとろみをつけるのに片栗粉を使わず、煮崩れた里芋で自然なとろみを加えます。1 年の最後を飾る春日大社の例祭「おん祭り」に先立ち、関係者や参拝者にのっぺいを振る舞うのが習わしとなっています。

    所在地 : 日本 - 奈良県

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    柿なます

    柿の旨味が味わいを高める奈良伝統のお正月料理

    柿なます
    • 食事

    柿なますは、古都の秋を彩る柿を使ったやさしい味わいのお正月料理です。奈良県では、おせち料理の定番である紅白のなますに刻んだ干し柿を加えた柿なますが、古くから食されてきました。かつて砂糖が貴重だった時代に、代用品として干し柿を用いたことが始まりとされます。

    お正月やおめでたい席では、くり抜いた柿の実を器に使って提供されることもあります。現在でも家庭の味として愛されている、素朴な郷土料理です。

    所在地 : 日本 - 奈良県

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    葛餅

    絶品の舌触りをぜひ味わいたい

    葛餅
    • 食事

    奈良の葛餅は、古くから吉野地域で作られてきた葛を使った上品な和菓子で、お土産にも最適です。マメ科のツル性植物である葛の根を、地下水を使って厳寒期に精製して作られた吉野の本葛は、漢方薬の葛根湯の材料としても使われる最高級のでんぷんです。

    入手が困難なことから、現在では市販の葛餅の多くに片栗粉が使われていますが、奈良を訪れたなら、ぜひ本物の葛餅をいただきましょう。なお、吉野山蔵王堂前にある葛屋、中井春風堂では、賞味期限 10 分という幻の葛餅や葛切りを味わうことができます。

    所在地 : 中井春風堂 : 〒639-3115 日本 - 奈良県吉野郡吉野町吉野山 545

    営業時間 : 中井春風堂 : 10:00 ~ 17:00 ※水曜および第 2、4 木曜定休 (4 月、11 月は無休) ※冬季は土日のみ営業 (年末年始は営業)

    電話番号 : (+81) 746-32-3043

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    大和まなの煮浸し

    伝統野菜を使ったおそうざいの定番

    • 食事

    大和まなの煮浸しは、奈良の伝統野菜であるアブラナ科の漬け菜「大和まな」を、薄揚げと一緒にしょうゆ味の出汁でさっと煮た郷土料理です。京都の「水菜とお揚げの炊いたん」とほぼ同じレシピで、野菜を使った関西のおそうざいの定番とも言えます。

    おいしく作るコツは、早めに火を止めて大和まなの美しい葉色と歯ざわりを生かすこと。家庭料理として親しまれる大和まなの煮浸しを味わうなら、「ならまち」周辺の郷土料理のお店に足を運ぶのがおすすめです。

    所在地 : 日本 - 奈良県

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