ロンドンの 10 の主要鉄道駅

ウォータールー駅はテムズ川の南側にある数少ない幹線駅の 1 つです。24 本のホームがあり、乗降客数は約 9,400 万人に上ります。サウスワーク、サウス バンク、ランビスへのアクセスが良く、しかもウェストミンスターまで容易に歩いて行けるのが魅力です。狭く人口密度の高い地域の発着便が多く、サリー、ハンプシャー、バークシャーの街々を結んでいます。

ウェスト オブ イングランド線が遠くエクセターまで運行していますが、エクセターに行くならパディントン駅のほうが利便性が高いかもしれません。またウォータールー駅はサウス ウェスタン本線のターミナル駅でもあり、ロンドンと沿岸部のサウサンプトン ～ ウェイマス間を結んでいます。ポーツマス行き直通列車とワイト島行きのフェリーが連絡していて便利です。「ユーロスター」は、当初ウォータールー駅を発着駅としていましたが、現在ではセント パンクラス駅が発着駅となっています。

19 世紀イギリスを代表する技術者、イザムバード キングダム ブルネルが設計したパディントン駅。駅舎は改装されたものの、当初の面影は随所に残っています。現在では「くまのパディントン」の銅像がある駅として有名で、像は 1 番線ホームの時計の下にあります。駅はロンドンの西側に位置し、ノッティング ヒルやリトル ベニスなどへのアクセスが便利。また、ヒースロー エクスプレスの終点でもあります。

パディントン駅からは、バース、ブリストル、カーディフ、エクセター、 プリマス行きの長距離列車に乗ることができます。グレート ウェスタン鉄道が路線展開する駅としては、ほかにレディング、チェルトナム、オックスフォード、スウィンドンなどが有名です。ペンザンスを訪れるなら、パディントン駅発の「ナイト リビエラ」号を利用しない手はありません。英国内を発着地とする唯一の寝台列車として知られています。

キングス クロス駅からは、ロンドンとスコットランドのエディンバラを結ぶ列車が出ています。鉄道は幹線道路 A1 とほぼ並行して走っています。ロンドンから北方向に、ピーターバラ、グランサム、ニューアーク、レットフォードなどで停車。次にヨークシャー地方のドンカスターとリーズに止まり、さらにイングランド北東部のダラム、ニューカッスルへと向かいます。キングス クロス駅の他の運行会社は、ブラッドフォード方面の列車を運行するグランド セントラル、ハル方面の列車を運行するハル トレインズ、通勤用鉄道のテムズリンクやグレイト ノーザンなどです。

なお、キングス クロス駅には、列車の乗り入れがないのに誰もが知っている有名なホームがあります。映画や本が好きな人なら、ハリー ポッター シリーズに登場する「9と3/4番線」のことを聞いたことがあるでしょう。「PLATFORM 9¾」と書かれた標識を探してみてください。フクロウのかごやスーツケースを積んだ荷物カートが、壁に半分埋まっています。地下鉄駅となっているキングス クロス セント パンクラスでは 6 路線の地下鉄が利用でき、サークル線はユーストン ロード沿いに少し歩いたところから乗れます。駅周辺はかつてロンドンの歓楽街でしたが、高級エリアとして再開発され、近くに高級店やレストランが並ぶショッピングモールの「コール ドロップス ヤード」があります。

セント パンクラス駅には、ミッドランド鉄道のターミナル駅として開業した歴史があります。現在では、イースト ミッドランズにあるノッティンガム、レスター、リンカーンなどの街へ路線が延びています。またケント州を通るハイ スピード 1 もこの駅から発着します。テムズリンクはセント パンクラス駅に停車し、ベッドフォードからブライトンまでを結んでいます。途中、ルートン空港にも停車します。

しかし、セント パンクラス駅を最も有名にしているのは、ユーロスターの発着駅であるということでしょう。この歴史ある駅から、パリやブリュッセルまで 3 時間足らずで行くことができます。アムステルダムまでは 4 時間弱です。周辺に目を向ければ、観光客に人気のあるカムデンがこの駅から遠くない場所にあります。またフィッツロビアがユーストン ロードの反対側にあります。

リバプール ストリート駅は、金融街であるシティの中心部にあり、セントポール大聖堂やロンドン塔へも近い便利な駅。通勤客が多く利用するこの駅は、年間の乗降客数約 6,400 万人と、イギリス国内で 3 番目の多さを誇ります。ボードゲームのモノポリーの英国版に登場する 4 つの駅の 1 つでもあります。

エセックス、ケンブリッジシャー、ハートフォードシャー、ノーフォーク、サフォークなど、イースト アングリア方面への列車がこの駅を発着。ノリッジやケンブリッジを訪れる旅行者が利用する駅でもあります。またリバプール ストリート駅は、スタンステッド空港とロンドンを結ぶ直通列車「スタンステッド エクスプレス」の、ロンドン側のターミナル駅であり、セントラル線、サークル線など複数の地下鉄路線が入っています。駅構内にはさまざまな店舗が入り、また中 2 階から見渡せる駅コンコースの眺めは一見の価値があります。

フェンチャーチ ストリート駅は、ロンドンの比較的小規模な幹線駅の 1 つです。近くにはロンドン塔があり、テムズ川が流れています。c2c が列車を運行し、年間の乗降客数は 1,700 万人超。イースト ロンドンやエセックス方面行きの列車が乗り入れています。この路線の終点は、サウスエンド オン シーの東端に当たるシューバーイネスです。

他のターミナル駅と異なり、フェンチャーチ ストリート駅はロンドンの地下鉄網と接続していませんが、地下鉄タワー ヒル駅が、徒歩数分のところにあります。深夜運行便が、特に週末の保守点検期間中、近隣のリバプール ストリート駅行きに変更になる場合があるので、ご注意ください。

サザークにあるロンドン ブリッジ駅。近くにはザ シャードやバラ マーケットがあります。テムズ川の南にあるこの駅は主に通勤に利用されており、年間の乗降客数は約 5,600 万人に上ります。駅舎は 2017 年に改装され、意匠を凝らしたことではロンドンでも指折りの駅舎となっています。

列車の行き先はロンドンの南東部と、ケント州やサセックス地域にある多くの街ですが、ロンドン北部にも路線が延びています。ロンドン ブリッジ駅からは、ウォータールー駅、ブラック フライアーズ駅、キャノン ストリート駅、チャリング クロス駅へと路線がつながっています。またこの駅名は地下鉄のノーザン線とジュビリー線の駅も指しています。

ガトウィック空港からロンドン行きの列車に乗ったときに到着するのがヴィクトリア駅。年間乗降客数は 7,400 万人に上りますが、ヴィクトリア駅を利用するのは観光客だけではありません。多くの人が通勤にも利用しており、ケント、サリー、サセックス方面の列車が発着します。ブロムリー、ブライトン、イーストボーン、エプサム、ドーキング、クロイドンなどからロンドンを訪れる旅行者は、この駅に到着します。

ヴィクトリア駅には、店舗、カフェ、レストランなどの施設が多数あります。地下鉄は、サークル線、ディストリクト線、ヴィクトリア線の 3 路線が乗り入れています。また、ウェストミンスター寺院やバッキンガム宮殿といったロンドンの人気観光スポットが、徒歩圏内にあります。

ロンドンのユーストン駅は、ウェスト コースト本線のターミナル駅です。キングス クロス駅およびセント パンクラス国際駅と並んで、カムデン特別区のユーストン ロード沿いにある 3 つの幹線駅の 1 つです。年間約 7,100 万人が、ユーストンを発着駅として、バーミンガム、イングランド北西部 (マンチェスターやリバプールなど)、スコットランド方面の列車を利用しています。なお、高速鉄道「ハイスピード 2」のロンドン側終着駅として、ユーストン駅が選ばれました。

またユーストン駅は、「カレドニアン スリーパー」 (ロンドンとスコットランドを結ぶ夜行列車) の出発駅でもあります。列車はエディンバラまたはグラスゴーへと向かい、ここで分岐してさらにアバディーンやインバネスへと向かいます。

ロンドンの中心部にあるチャリング クロス駅。6 本の線路が集まる駅です。ネルソン記念柱、コヴェント ガーデン、そしてウェストエンドの劇場街などの有名観光スポットへは歩いて行くことができます。

鉄道会社のサウスイースタン トレインズがチャリング クロス駅全体を管理しています。急行列車や普通列車はケント州を走り抜け、トンブリッジ、セブノークス、アッシュフォード、フォークストンなどを経由して、終点のドーバーに到着します。他の列車は州の北部を通り、チャタムやラムズゲートに向かいます。