せっかくのマドリードでの休暇も、詐欺に遭うと、スペインの街全体に対する印象や気分が大きく損なわれてしまいます。このような詐欺に遭う原因は、えてして現地の文化に慣れていないことであるため、到着前にある程度調べておけばトラブルはぐっと少なくなります。

特に人混みや公共交通機関では、常に自分の持ち物に注意して過ごすのが鉄則です。しかし、詐欺師は無防備な観光客から手っ取り早くお金を稼ぐ方法を無数に持っています。マドリードでよくある詐欺の手口とその回避方法をチェックしておきましょう。

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    ラッキーローズマリー

    ラッキーローズマリー

    ラッキー ローズマリー詐欺は、マドリードの観光地に住む高齢のロマ族の女性がよく使う手口です。たいてい、彼女たちはローズマリーの小枝を手渡し、チャンスを捉えて占いを始めます。その後、「サービス」の対価として、通常 €5 ~ €20 の支払いを求めてきます。拒否すると大騒ぎをして、要求を呑むようにプレッシャーをかけてくることがよくあります。

    回避方法 :
    物を渡されたら抵抗し、すぐにその場から立ち去りましょう。

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    偽警察官

    偽警察官

    秘密捜査官を名乗るスリは、本物のようなバッジを提示したうえで財布や書類を要求することが多いので、見破るのが困難です。この巧妙な手口は、多くの観光客がすっかりお酒に酔っている夜遅くによく使われます。詐欺師は、あなたの財布に偽札がないか確認すると言って近づいてきます。財布が返されたときには、すでに数ユーロが抜き取られています。

    回避方法 :
    偽の警官が近づいてきても、落ち着いて行動してください。彼らは二人ひと組で移動することが多いため、立ち向かおうとしても逆に暴行を受けてしまう可能性があります。もう一度バッジを見せてもらい、財布の検査は最寄りの警察署で行うように要求しましょう。

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    タクシー詐欺

    タクシー詐欺

    タクシー詐欺はマドリードだけでなく、世界中で蔓延しています。ほとんどの場合、スペインのタクシーは認可を受けていて、はっきりと見えるように正面にメーターを装備しています。ところが、メーターが壊れていると言って、固定料金 (たいていは水増し料金) を要求する運転手がいます。運賃の総額を引き上げるために、目的地まで遠回りする運転手もいます。

    回避方法 :
    タクシーに乗る前に、メーターがオンになっていることを確認してください。運転手が「壊れている」と言ったら、丁重にお断りし、別のタクシーを探しましょう。ホテルに電話しておおよその運賃を教えてもらうと、過剰請求を防ぐことができます。

    写真提供 Dcarolina.2000 (CC BY-SA 4.0) 修正済

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    価格のないメニュー

    価格のないメニュー

    マドリードのすべてのレストランは、メニューに価格を表示することが法律で義務付けられています。残念なことに、何の疑いも持たない観光客に「日替わりメニュー」を注文させる店も中にはあります。黒板や英訳されたメニューに書かれていることが多く、そこには値段の記載がありません。会計のときに、料理が予想以上に高額であったことに気付くのです。

    回避方法 :
    ウェイターが日替わりメニューを勧めてきたら、必ず値段を聞いてから決めましょう。また、スペイン語と英語の両方のメニューを要求し、2 つのバージョンで価格が異なるかどうかを確認するのも良い方法です。

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    豆とカップを使ったゲーム

    豆とカップを使ったゲーム

    「シェルゲーム」や「カップアンドボール」とも呼ばれるこの詐欺は、3 つの同じカップと 1 粒の豆を持った人が、どのカップに豆が入っているか賭けるように誘ってくるものです。たいてい、詐欺師は最初の数ラウンドをあなたに勝たせることで自信をつけさせ、その後、豆の位置を変えるトリックを使い始めます。ゲームに夢中になっていると、グループの誰かがこっそりと財布を持ち去るという手口です。

    回避方法 :
    決して勝つことはできないので、最初からプレイしないに限ります。このゲームを見ている大人数のグループは、多くの場合、詐欺師の共犯者であるため、そういうグループは避けてください。

    写真提供 Holger.Ellgaard (CC BY-SA 3.0) 修正済

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    偽のレストランクーポン

    偽のレストランクーポン

    マドリードを観光していると、見知らぬ人が、とても魅力的な割引クーポンを配っていて思わず足を止めてしまうことがあります。レストランで食事をすることに決め、会計の際にクーポンを渡すと、有効期限が切れているか、注文には適用されないとスタッフから告げられます。結果、全額を支払うはめになり、ほとんどのレストランよりもはるかに高額であることが少なくありません。

    回避方法 :
    何か渡されそうになったら、すぐに立ち去るか辞退してください。気になるお店であった場合は、注文する前にスタッフにクーポンの有効期限を確認しましょう。

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    地下鉄のスリ

    地下鉄のスリ

    混雑した地下鉄での移動は不快なものですが、スリの被害にも遭いかねません。彼らは、特にピーク時に、空港や市内中心部の観光地周辺を移動する地下鉄 (赤、緑、黄の線) に乗車する傾向があります。通勤客にもみくちゃにされながら持ち物を管理することは多くの場合、難しいものです。

    回避方法 :
    可能であればポケットを空にし、乗車中は常にバッグを胸の近くに置いてください。バッグを持たずに移動する場合は、スリに遭わないよう、常にポケットに手を入れておきましょう。

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    偽のお願い

    偽のお願い

    慈善活動家を装った詐欺師は、たいてい、レティーロ公園、マヨール広場、マドリード王宮に集まっています。通常、無防備な観光客に、偽りの目的を言って署名を求め、時には少額の寄付を求めることさえあります。彼らの説明に気を取られている間に、共犯者があなたのポケットやバッグをすばやく漁り、持ち物を抜き取って立ち去ります。

    回避方法 :
    見知らぬ人が寄付のために近づいてきても、目を合わせずに通り過ぎましょう。

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    サッカー詐欺

    サッカー詐欺

    この詐欺は、一見無害そうなサッカーゲームをしている人々のように見えますが、これもよくある手口です。彼らはターゲットを選んで、あなたの方向にボールを蹴り、一緒にプレイするよう誘います。一見、友好的な態度に見えますが、これはプレーヤーがあなたのポケットの中に貴重品があるかどうかを探るための偽装であることが多いので、騙されないようにしましょう。

    回避方法 :
    対戦相手の体に接触するようなゲームに参加する際は、あらかじめポケットが空であることを確認してください。一番安全なのは、顔見知りの人としか遊ばないことです。

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    善きサマリア人

    善きサマリア人

    「善きサマリア人」詐欺にはさまざまな形がありますが、落とし物を拾ったかのようにスリが追いかけてくるケースが典型的です。落とし物は、たいてい、興味をそそるジュエリーか紙幣のどちらかです。自分のものではないと伝えるのに夢中になっている隙に、共犯者があなたのポケットに触れるチャンスを得るのです。もう一つ、マドリード王宮でよくあるのが、見知らぬ人が写真撮影を手伝ってくれるというものです。離れて立って写真のポーズをとっていると、彼または彼女があなたのカメラを持って逃げるという手口です。

    回避方法 :
    声をかけられて振り向いたとき、見知らぬ人が自分のものではない現金やジュエリーを持っていたら、できるだけ早く立ち去りましょう。どんなにいい写真を撮りたくても、見知らぬ人にカメラやスマートフォンを預けるのはやめましょう。

Penny Wong | 旅のプロ