ミラノで地元の味を楽しむにはどこに行けばよいか。これは美味しい料理に出会うためにイタリアを旅する人からよく尋ねられる質問です。ミラノ料理の伝統は、周辺の土地や歴史と強く結びついています。郷土料理の重要な食材である米は、水が豊富な地域でよく育つことを発見したヴィスコンティ家によってアジアから持ち込まれたもの。また、河川に恵まれているため牛の放牧に適した牧草地を得られ、次第にチーズが生産されるようになりました。
コトレッタ (カツレツ)、トリッパ (牛の胃袋)、ゴルゴンゾーラ チーズは地元料理に欠かせません。伝統的なシチューのカッスーラに使われる豚肉は、ケルト時代からこの地で生産されています。かつてオークの森に覆われていた平地では、豚の餌となるどんぐりが採れたのです。このような食材を活かした名物料理を、ミラノでも指折りのレストランで味わいましょう。
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プレミアータ トラットリア アルラーティ
伝説的存在のルチオ バティスティが歌った場所で食事をする
- 食事
ミラノで長い歴史を持つレストランを探しているなら、プレミアータ トラットリア アルラーティがおすすめです。パルマ産の生ハムと水牛のモッツァレラチーズ、クルトンを添えたミラノ風パテなどを楽しみましょう。おいしい郷土料理を中心とした多彩なメニューはもちろん、ここは目も耳も楽しませてくれます。このトラットリアは、70 年代にはアーティストやミュージシャンが集まる場所でした。
壁にはヴィンテージの絵画や写真が飾られ、下の階では新進気鋭のアーティストがライブを行っています。イタリアの伝説的な歌手であるルチオ バティスティや、ポップロックバンドのフォーミュラ 3、ロレダーナ ベルテ、レナート ゼロも、かつてここで歌声を披露していました。ここは元々はミラノのビコッカ地区にある世界的タイヤメーカーのピレリで働く人々が立ち寄る店でした。その後、変遷を経て今日のように音楽を楽しめる店へと変わっていきました。
所在地 : Via Alberto Nota, 47, 20126 Milan, Italy
営業時間 : 月 ~ 金 : 12:00 - 14:15、19:30 - 23:00、土 : 19:30 - 22:30
電話番号 : +39 02 643 3327
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アル ガルゲット
ミラノの高級レストランに入ってみる
- 食事
ミラノにあるアル ガルゲット。席に着いて手書きのメニューを眺めれば、伝統のある正統派のレストランであることがすぐにわかります。店内は実に洗練された雰囲気で、いくつかの部屋に分かれています。それぞれに趣の異なる家具などが置かれていますが、どの部屋も細かい気配りが行き届いています。夏には花に囲まれた庭園で食事を楽しめます。
ここでは本格的な自家製パスタやデザートを味わってみましょう。メニューは季節ごとに変わり、豊かな自然の中で育まれた新鮮な食材が使用されています。このレストランの名物料理は仔牛のカツレツ (コトレッタ)。骨と同じくらいの厚さで、ミラノ産のパン粉をまぶし、バターで揚げ焼きにされています。レストランがあるのは市街地の南、緑豊かな人里離れたところです。
所在地 : Via Selvanesco, 36, 20141 Milan, Italy
営業時間 : 火 ~ 土 : 19:15 - 22:15、日 : 12:15 - 14:00、19:15 - 22:15
電話番号 : +39 02 534 698
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オステリア ラ ピオラ
若々しい雰囲気の中で楽しむ伝統的なミラノの味
- 食事
カーサ ファミッリア ピオラにあるオステリア ラ ピオラは、座面が麦わらで編まれたストローチェアと赤と白の市松模様のテーブルクロスが特徴的な、典型的なミラノのトラットリア (大衆レストラン) です。料理も伝統の味を守っており、そのレシピは世代を超えて受け継がれています。この店の名物料理は、仔牛のすね肉のリゾット (リゾット コン オッソブーコ) や、洋ナシとゴルゴンゾーラ (ペレ エ ゴルゴンゾーラ) などです。
また、リゾット アル サルトと呼ばれるカリッと焼いたライス パンケーキもあります。これはロンバルディア州の料理で、残ったサフランリゾットを美味しく食べるために考案されたものです。現在、この料理はレストランのメニューとして人気があり、昔懐かしい味として評判も上々。オステリア ラ ピオラはチッタ ストゥディ地区にあります。店の昔ながらの雰囲気とは裏腹に、経営しているのは明るく元気な若者のグループ。こだわりの自家製ティラミスなど、デザートも店内で手作りされており、これらも見逃せません。
所在地 : Viale Abruzzi, 23, 20129 Milan, Italy
営業時間 : 月、火、木、金 : 19:30 - 23:45、土日 : 12:00 - 23:45 (定休日 : 水)
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オステリア コンケッタ
ロンバルディア州の味を楽しむ
- 食事
オステリア コンケッタは、正統派のミラノ風リゾットをミラノで味わえる、おすすめのレストランの 1 軒です。ここでは、歯触りのよい玉ねぎを合わせて、お米をクリーミーになるまで煮込みます。ロンバルディア州の田園地帯には、15 世紀から水田がありました。稲作がごく一般的に行われており、水田と人口密集地との間の最低限の距離を定める法律もあります。
メインメニューには他の郷土料理も並んでいます。デザートには卵黄と砂糖と甘口のワインで作るザバイオーネを。伝統的なプリンも食事の締めくくりとしておすすめです。このミラノ料理レストランは、パヴェーゼ運河の近くにあります。レンガが剥き出しになっている素朴ながら洗練された造りで、並べられたワインボトルがしゃれた雰囲気を醸し出しています。
所在地 : Via Conchetta, 8, 20136 Milan, Italy
営業時間 : 毎日 : 12:30 - 14:30、19:30 - 23:00
電話番号 : +39 02 837 2917
地図 - 5
トラットリア マドンニーナ
古き良き時代の雰囲気の中で食事をする
- 食事
トラットリア マドンニーナはミラノにある個性豊かなレストラン。このイタリア風居酒屋とも言うべきオステリアを訪れて、政治やサッカー選手のマッツォーラのゴールについて盛り上がっていると、時間が止まったような気分になります。窓辺にはヴィンテージものの雑貨がずらりと並び、店の外から覗けば骨董屋と見間違えるほど。しかし店内に入って行列に並ぶと、質の高い飲食店であることがすぐにわかります。
パヴェーゼ運河から近く、ミラノの気取らない落ち着いた場所にあります。ここでは、リゾット アッロ ザッフェラーノ (サフランのリゾット) のほか、ゴルゴンゾーラ チーズとカツレツを添えたニョッキなどの料理を味わってみましょう。このレストランの美学と同じく、料理もミラノの古き良き時代を思い起こさせるものですが、古くささを感じることは決してありません。
所在地 : Via Gentilino, 6, 20136 Milano MI, Italy
営業時間 : 月 ~ 火 : 12:00 - 14:30、水 ~ 土 : 12:00 - 14:30 および 20:00 - 22:30 (定休日 : 日)
電話番号 : +39 02 8940 9089
地図 - 6
エル ブレリン
伝統とエレガンスを兼ね備えた場所
- 食事
アルツァイア ナヴィーリオ グランデ運河に面しているエル ブレリン。ミラノのナイトライフが楽しめる地域で、上品な雰囲気に包まれて夜を過ごしましょう。居心地よくしつらえられた部屋がいくつかあり、天井には剥き出しの梁が見えます。温かみのある黄色の壁とテーブル クロスは、パルメザンチーズとサフランのリゾットの色とよく合います。
メニューには、仔牛のすね肉のリゾット添えや、地元の名物料理でサボイキャベツと豚肉を煮込んだカッスーラなどの伝統的な料理が載っています。地元の名物料理にもさまざまなバリエーションがあるので、ミラノの旅行中に一度立ち寄ってみることをおすすめします。
所在地 : Vicolo dei Lavandai, Alzaia Naviglio Grande, 14, 20144 Milan, Italy
営業時間 : 月 ~ 木 : 19:30 - 翌 1:00、金 : 19:30 - 翌 2:00、土 : 12:30 - 翌 2:00、日 : 12:30 - 24:00
電話番号 : +39 02 5810 1351
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エル バルバペダーナ
吟遊詩人の面影をしのぶ
- 食事
エル バルバペダーナの伝統はその名前に反映されています。バルバペダーナとは、現在では伝説上の存在となったミラノの吟遊詩人のこと。彼らはオステリアを渡り歩き、人気のある歌や童謡などを歌って客を楽しませていました。その姿は失われ、忘れ去られてしまいましたが、ジェノヴァ門の近くにあるこのレストランでは、趣のある木製の家具と地元の味を大切にした料理で、この過ぎ去った時代の雰囲気を再現することに努めています。
メニューにはいろいろな種類のリゾットが載っています。ソーセージとボナルダ (ドゥース ノワール ワイン) を使った正統派のものから、ベリーとタレッジョチーズを使った創作的なものまでさまざまです。メインの下にあるのはルスティン ネガア。仔牛のロースチョップをバターやパンチェッタで焦げ目を付け、弱火でゆっくりと煮込んだ料理です。この料理を存分に味わうには、フルボディのワインと組み合わせることをおすすめします。
所在地 : Corso Cristoforo Colombo, 7, 20144 Milan, Italy
営業時間 : 月 ~ 土 : 12:30 - 14:30、19:30 - 23:00 (定休日 : 日)
電話番号 : +39 02 832 1732
地図 - 8
アンティカ トラットリア デッラ ペーザ
市街地の門の近くにある歴史のあるレストラン
- 食事
- 歴史
アンティカ トラットリア デッラ ペーザは、ミラノ有数の歴史あるレストラン。19 世紀、この場所には街に荷を運び込むときに使う計量台がありました。レストランに向かう途中、ミラノのガリバルディ門の近くの建物が目に入ります。ここは市の中心部へ向かう際の玄関口だった場所なので、さまざまな品を運ぶ車でにぎわっていた様子が想像できます。
このレストランの装飾は当時の雰囲気を感じさせるものです。ここで味わえる伝統的なミラノ料理には、インボルティーニ ディ ヴェルツァ (ロール キャベツ)、ロニョーネ トリフォラート (腎臓をオリーブ オイル、パセリ、ニンニクで炒めた料理)、フォイオーロ (胃袋を使うミラノ風料理) などがあります。ちょっとくつろぎたいときには、隣のピッコロ デッラ ペーザへ。食前酒や上質なワインを味わうのにぴったりです。
所在地 : Viale Pasubio, 10, 20154 Milan, Italy
営業時間 : 月 ~ 土 : 12:30 - 14:30、19:30 - 23:00 (定休日 : 日)
電話番号 : +39 02 655 5741
地図写真提供 LucaChp (CC BY-SA 3.0) 修正済
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トラットリア ダ トマゾ
変わりゆく街の中で変わらない場所
- 格安
- 食事
トラットリア ダ トマゾは、ミラノがあるロンバルディア州の地元料理を楽しめるレストラン。昔から伝わるレシピを大切にしており、ポルタ ガリバルディ駅の近くにあり、店の背後にはイゾラ地区の建物が連なっています。このレストランがその日の営業を終了するのは、鍋が空になったとき。「オールインクルーシブ」なスタイルの家庭料理が好きなら、ここで手頃な価格で美味しい料理に出会えます。
家族経営のカジュアルな雰囲気のレストランで、大人数でも座れるテーブルがあります。その味と雰囲気は昔のミラノを彷彿とさせ、周辺の街がガラスと鋼鉄のビルばかりになった現在でも、その魅力は失われずにいます。
所在地 : Via Gaetano de Castillia, 20, 20124 Milano MI, Italy
営業時間 : 月 ~ 金 : 12:00 - 14:00 (定休日 : 土日)
電話番号 : +39 02 668 8023
地図 - 10
オステリア デッラックアベッラ
ミラノ以外の味も試してみる
- 食事
地元料理に興味があり、ミラノだけでなくロンバルディア州の他の地域の料理も味わってみたいなら、デッラックアベッラがおすすめです。ここでは、仔牛のすね肉を煮込んだオッソブーコ、パルメザンチーズとサフランのカツレツとリゾット、野菜と角切りポテトのタリアテッレ、そして堅いグラナチーズを薄く削ったローディ地方の名物であるラスパドゥーラなどを注文できます。 締めくくりはズブリゾローナで。マントヴァ地方のカリッと焼かれたお菓子です。
このオステリアはポルタ ロマーナのすぐ近くにあり、ロンバルディア州全域の本格派料理を味わえます。オープンしたのは 1970 年代。地元の工場労働者たちが顧客でした。オーナーの子供たちは家族の伝統を受け継ぎ、子供時代の思い出の雰囲気と味を復活させています。
所在地 : Via S. Rocco, 11, 20135 Milan, Italy
営業時間 : 月 ~ 土 : 12:00 - 14:30 および 19:30 - 23:30 (定休日 : 日)
電話番号 : +39 02 5830 9653
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