シカゴは、豊かなアール デコ様式と壮麗なボザール様式が融合した象徴的な高層ビルが建ち並ぶ、美しいスカイラインで知られる都市です。このような美しい景観を誇るこの街は、映画製作者にとって格好の舞台のひとつとなっています。バットマンの『ゴッサム・シティ』はシカゴに着想を得たとされているため、このコミックを原作とする多くの映画はこの街でロケが行われました。
地下街でのハイスピードな逃走劇から、説得力のある歴史的な場所を舞台としたギャングドラマまで、お気に入りの大作映画でシカゴの街を目にしたこともあるかもしれません。シカゴの有名な映画ロケ地をいくつか紹介しながら、シカゴの街全体を監督の目で見てみましょう。
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イースト アッパー ワッカー ドライブ
『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011 年)
- 歴史
- 写真
マイケル ベイ監督は映画の中で物を爆破させることを得意とし、シカゴはスクリーン上で文字通り何度も破壊されてきました。実は監督作品の『トランスフォーマー』シリーズでは、エイリアンのロボットと戦う映画内の騒乱や余波のほとんどが、実際にはシカゴを舞台としていない描写でも、シカゴやその周辺で撮影されてきたのです。
『トランスフォーマー』の第 3 作では、ウェスト ヴァン ビューレン ストリートにあるシカゴ郵便局のビルが NEST 本部として登場します。また、デュセーブル橋のすぐ南、ワッカー ドライブにあるザ リバー ホテル前では連続爆発が起こります。ワッカー ドライブは第 4 作でも、車両の通行を左右逆転し、道路標識を覆うことで、香港という設定で使用されています。
所在地 : East Upper Wacker Drive, Chicago
地図 - 2
オヘア国際空港
『ホーム・アローン』(1990 年)
- 歴史
- 写真
もっと読むマコーレー カルキン主演のこの名作冒険コメディは、全編がシカゴ都市圏で撮影されました。シカゴのオヘア国際空港の一部が、パリのオルリー空港として使用されています。空き巣たちの愉快なブービートラップシーンの大半が繰り広げられる、主人公の少年の家は、シカゴのダウンタウンから車で少し北に行ったウィネットカのリンカーン アベニュー 671 番地にあります。
スケートリンクのある雪のハバード ウッズ公園は、カルキン演じる主人公が、道路を挟んだ地元の薬局で意図せず歯ブラシを盗んだ後、警察官から逃げて滑った場所です。
所在地 : 10000 W O'Hare Ave, Chicago, IL 60666
地図 - 3
旧中央郵便局
『ダークナイト』(2008 年)
- 歴史
- 写真
ウェスト ヴァン ビューレン ストリートにある旧中央郵便局は、シカゴで最も堂々とした歴史的建造物のひとつです。1920 年代に建てられ、2016 年まで郵便事業の拠点として使用されていました。
その壮大な構造と古典的なアールデコ様式の建物は、いくつかの大作映画の背景として使用されています。その北東の角は、クリストファー ノーラン監督の『バットマン ビギンズ』(2005 年) でゴッサム警察署のファサードとして使われ、北西の角は、続編『ダークナイト』(2008 年) のゴッサム市強盗による緊迫したオープニングシーンの舞台となりました。
所在地 : 433 W Van Buren St, Chicago, IL 60607
地図写真提供 Zol87 (CC BY-SA 2.0) 修正済
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デイリー プラザ
『逃亡者』(1993 年)
- 格安
- 歴史
- 写真
ハリソン フォードの最も印象的な役柄のひとつとされるこの映画の主人公は、妻殺しの濡れ衣を着せられ、法から逃れるために国を横断します。主人公が街中や路地裏を歩き回るシーンでは、シカゴの街並みやその通りが映し出されます。
映画に登場するいくつかの印象的な場所としては、主人公が弁護士に電話した公衆電話のあるウェルズ ストリート橋や、ノース ディアボーン ストリートでの聖パトリックの祝日に、パレードの群衆に紛れ込もうとして駆け抜けたデイリー プラザの市民会館などがあります。
所在地 : 50 W Washington St, Chicago, IL 60602
地図写真提供 Daniel Schwen (CC BY-SA 4.0) 修正済
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シカゴ商品取引所
『アンタッチャブル』(1987 年)
- 歴史
- 写真
シカゴ商品取引所ビルは、ウェスト ジャクソン ブールバードに建つ象徴的なアール デコ調の超高層ビルです。映画では、『バットマン ビギンズ』(2005 年) でブルース ウェインの会社の本社として登場しました。『フェリスはある朝突然に』(1986 年) では、その取引フロアのひとつが映し出されました。
ここは『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011 年) でオートボットがディセプティコンと戦った場所でもあります。この建物が最も大きな役割を果たしたのは、犯罪ドラマの名作『アンタッチャブル』(1987 年) でしょう。映画内の多くのシーンでこの建物が登場しました。
所在地 : 141 W Jackson Blvd, Chicago, IL 60604
地図写真提供 Ken Lund (CC BY-SA 2.0) 修正済
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シカゴ市庁舎
『ブルース・ブラザース』(1980 年)
- 歴史
- 写真
ジョン ランディス監督によるこの奇抜なアクション映画のクライマックスとなる高速カーチェイスシーンでは、コメディアンのジョン ベルーシとダン エイクロイドが演じる仮釈放中の囚人コンビが、「ブルースモービル」の愛称で呼ばれる拡声器付きの 1974 年製ダッジ モナコに乗ってシカゴの街を疾走します。サイレンを鳴り響かせる十数台の警察車両に追跡されながら、無法な運転を繰り広げます。
デイリー プラザを突っ切ってシカゴ市庁舎に飛び込み、事務官室 (スティーブン スピルバーグが事務官役でカメオ出演) を探して税金を納めたその瞬間、SWAT チームと州軍兵士が乗り込み、2 人は逮捕されます。
所在地 : 121 N LaSalle St, Chicago, IL 60602
地図写真提供 Ken Lund (CC BY-SA 2.0) 修正済
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シカゴ美術館
『フェリスはある朝突然に』(1986 年)
- 歴史
- 写真
もっと読むマシュー ブロデリックが演じるこの 80 年代のティーン向けコメディ映画の主人公、フェリス ビューラーは授業をさぼる癖があります。卒業を控え、学校に病欠を連絡した主人公は、父親の赤い 1961 年型フェラーリ 250GT カリフォルニア スパイダーを拝借して最後の逃避行に出かけます。
フェリスと仲間たちは、シカゴ美術館に立ち寄った後、シカゴの街に繰り出します。フェリスがここで見入っている作品のひとつが、フランスのポスト印象派の画家、ジョルジュ スーラの点描画で、この画家の作品は今もこの場所で観ることができます。
所在地 : 111 S Michigan Ave, Chicago, IL 60603
地図 - 8
シカゴ ヒルトン & タワーズ
『ミート・ザ・ペアレンツ 3』(2010 年)
- 歴史
- 写真
『ミート・ザ・ペアレンツ』(2000 年) と『ミート・ザ・ペアレンツ 2』(2004 年) に続く、ポール ワイツ監督によるこの愉快な続編は、全編がシカゴで撮影されました。オープニングでは、シカゴの街並みやスカイラインが映し出され、いくつかのシーンはリンカーン パーク、グラント パーク、サウス ミシガン アベニューにあるシカゴ ヒルトン & タワーズの前で撮影されています。
シカゴ ヒルトンの壮麗なボザール様式と荘厳なグランドロビーは、トム ハンクスの犯罪ドラマ『ロード・トゥ・パーディション』(2002 年) など、他の映画にも登場します。
所在地 : 720 S Michigan Ave, Chicago, IL 60605
地図 - 9
ユニオン駅
『パブリック・エネミーズ』(2009 年)
- 歴史
- 写真
シカゴで最も象徴的で歴史的なランドマークのひとつであるユニオン駅は、映画史に残るさまざまなシーンの背景として使われています。この駅はシカゴの道路網と高層ビルの地下に位置し、9 ブロック以上の面積を占める通勤電車の主要ターミナル駅です。
マイケル マン監督のスリラー映画『パブリック・エネミーズ』(2009 年) では、クリスチャン ベール演じる FBI 捜査官が、ジョニー デップ演じる銀行強盗犯を追跡する前に他の捜査官と合流する場面で、この駅の広大で美しい内装を見ることができます。
所在地 : 225 S Canal St, Chicago, IL 60606
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