イタリアの大首都でありキリスト教の中心地であるローマには、とっておきの穴場がたくさんあります。この都市は、西洋の歴史と文化にいつまでも消えない痕跡を残した帝国の発祥の地です。しかしローマは、絵葉書のような景色と観光客の多く集まる街並みの奥に、楽しさ、秘密、斬新さ、謎に満ちた、ひと味違う個性的な顔を隠し持っています。
芸術から産業まで、ローマは感動と驚きに満ちた街です。これらの要素が絡まり合い、過去、現在、歴史、伝説の狭間にあるこの永遠の都の独特な雰囲気を形作っています。ここでは、この街の個性あふれるスポットや、地元っ子気分でローマを楽しむ方法をご紹介します。
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コッペデ地区
ローマの不思議な地区で独特の建築物に出会う
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コッペデ地区は、サラリアとノメンターナの間にあるローマの地区で、独創的な建築物に出会える場所です。開発を手がけた建築家にちなんで名付けられたこの地区では、リバティやアールデコがゴシック、バロック、古典様式の要素と融合され、折衷主義による不思議な共存が見られます。アッシリアとバビロンから形の着想を得た「クモの宮殿」ラッツォ デル ラーニョや、「妖精の館」と呼ばれる非対称のヴィリーノ デッレ ファーテも訪れてみましょう。
エリア全体が魅惑的で神秘的な雰囲気に包まれており、この地区でダリオ アルジェントの有名な映画シーンの撮影が行われたのも頷けます。ミンチョ広場にある「カエルの噴水」フォンターナ デッレ ラーネから散策を始めることをおすすめします。音楽好きの方なら、ビートルズがパイパー クラブで最高のコンサートを終えた後、服を着たまま水浴びをした場所だとすぐに気付くでしょう。
所在地 : Quartiere Coppedè, 00198 Rome, Italy
地図 - 2
サンタ マリア イン ヴァッリチェッラ教会
隠れた仕組みによって現れる素晴らしいフレスコ画を目にする
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サンタ マリア イン ヴァッリチェッラ教会 (別名「ヌオーヴァ教会」) まで足を延ばし、ローマ屈指の独創的な芸術作品を見に行きましょう。主祭壇の後ろにある、ルーベンスによる祭壇画の中央の楕円形を探してください。この部分が機械のメカニズムによって昇降し、背後にある絵が現れたり隠れたりする仕組みになっています。
この芸術作品は、キリスト教徒にとっては特に大切な存在である聖母マリアを描いたフレスコ画です。1600 年代に絵が劣化し始めたため、祭壇画で保護しました。この仕組みにより、礼拝者がフレスコ画を一時的とはいえ見られるようになりました。この素晴らしい芸術作品とメカニズムを実際に見に行きませんか。土曜日または日曜日の夕方のミサに出席すると、教区司祭がこの仕組みを操作する様子を見ることができます。
所在地 : Via del Governo Vecchio, 134, 00186 Rome, Italy
電話番号 : +39 06 687 5289
地図 - 3
聖イグナチオ デ ロヨラ教会
修道士の芸術家が描いただまし絵を堪能
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聖イグナチオ デ ロヨラ教会には、驚くべき目の錯覚によって普通の天井が壮大なドームに見える、だまし絵で描かれたドームがあります。教会はキージ宮殿から目と鼻の先です。この絵を手がけた才能豊かな芸術家は、イエズス会修道士のアンドレア ポッツォで、このような錯覚空間を作り出すだまし絵技法 (トロンプ ルイユ) を専門としていました。
教会の建設は 17 世紀に始まりました。建設中にドームを完成させるための資金が足りなくなってしまいましたが、革新的なアイデアで乗り切ったのです。芸術家でもある修道士は、突き出たように柱やアーチを描くことで、天井画によって建物がより高く見えるように錯覚させました。効果を最大限に感じるには、中央身廊にある金色の円を探し、その位置に立って見上げてみましょう。
所在地 : Via del Caravita, 8a, 00186 Rome, Italy
営業時間 : 月 ~ 土 : 7:30 - 19:00、日 : 9:00 - 19:00
電話番号 : +39 06 679 4406
地図 - 4
ファルネジーナ荘
ラファエロのフレスコ画を観賞
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ファルネジーナ荘は、ラファエロが手がけた知る人ぞ知るフレスコ画の傑作があり、芸術愛好家にとってはローマで必見の場所です。ポンテ シスト橋の近く、テヴェレ川のそばにあるルネサンス様式のこの見事なヴィラは、16 世紀初頭に裕福な銀行家アゴスティーノ キージによって建てられました。ラファエロがこのヴィラで最初に手がけた作品は、ガラテアのロッジア (ガラテアの間) の一部となるフレスコ画です。
数年後、結婚祝賀会の際に招待客の目を楽しませようと、ヴィラの所有者から 1 階のギャラリーに装飾を施してほしいという依頼を受けた巨匠は、今度は独立した場面ではなく、一連の絵画で装飾を構成することにしました。祝賀会に合わせて、テーマはキューピッドとプシュケーに決まりました。プロジェクトと全人物はラファエロが担当しましたが、フレスコ画の仕上げにはラファエロのアトリエの画家たちの協力もあったようです。
所在地 : Via della Lungara, 230, 00165 Rome, Italy
営業時間 : 月 ~ 土 : 9:00 - 14:00 (休館日 : 日)
電話番号 : +39 06 6802 7268
地図 - 5
サンタ チェチリア
ピエトロ カヴァリーニの失われた傑作を再発見
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サンタ チェチリアには、ローマで長い間失われていた傑作があります。『最後の審判』と言えば、システィーナ礼拝堂にあるミケランジェロの作品を思い浮かべるでしょう。20 世紀まで、『最後の審判』は 1 枚のみだと考えられていました。その後、トラステヴェレのサンタ チェチリア (別名「サンタ チェチリア ベネディクト会修道院」) の聖歌隊席を改装しているときに、何世紀もの間失われていた傑作を発見しました。この作品は、ジョットに影響を与えたとされるピエトロ カヴァリーニが描いた『ジュディツィオ ウニヴェルサーレ』、すなわち『最後の審判』として知られています。
このフレスコ画は、システィーナ礼拝堂が建設される 3 世紀前の 13 世紀末のものだと考えられています。当時としては前例のないほどの知識、芸術性、革新性が表れている作品です。また、人物造形の質の高さや豊かな表情、明暗法の穏やかな使い方、細部へのこだわりなども高く評価されています。聖歌隊席でこの絵を見ることができるのは、平日の決まった時間のみですが、ぜひ訪れてみましょう。
所在地 : Piazza di Santa Cecilia, 22, 00153 Rome, Italy
営業時間 : 毎日 : 10:00 - 12:30、16:30 - 18:30
電話番号 : +39 06 4549 2739
地図 - 6
カプチン クリプト
遺骨で覆われた礼拝堂を訪れる
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カプチン クリプトは、カプチン派修道会の教会であるサンタ マリア デッラ コンチェツィオーネ (別名「骸骨寺」) の地下納骨堂であり、修道士たちの遺骨が納められています。甘く華やかな雰囲気のヴェネト通りから目と鼻の先に、周囲とはまったく対照的な雰囲気を放つ、このような静かな場所があると思う人はほとんどいないでしょう。
身廊の下にある地下室に下りると、5 つの礼拝堂に囲まれた長さ 40 m の回廊があります。驚くのは骨の使い方です。頭蓋骨、大腿骨、指骨などさまざまな骨が、修道服を着た骸骨の後ろにモザイク装飾のように飾られているのです。各部屋の名前は、カペラ デッレ ティービエ (脛骨の礼拝堂) や、骨盤でいっぱいの部屋など、骨にちなんで付けられています。復活に捧げられた最後の礼拝堂にある希望のメッセージを探しましょう。
所在地 : Via Vittorio Veneto, 27, 00187 Rome, Italy
営業時間 : 毎日 : 10:00 - 19:00
電話番号 : +39 06 8880 3695
地図写真提供 Tessier~commonswik (CC BY-SA 3.0) 修正済
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チェントラーレ モンテマルティーニ
美術館となった旧産業施設
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ローマのチェントラーレ モンテマルティーニは、芸術と歴史が好きな方におすすめのスポットです。この場所自体にも意外な歴史があります。カピトリーノ美術館の分館として、ローマのかつての発電所の産業施設内に、考古学上の貴重な品々が展示されています。美術館本部の改装が必要になった当時、展示を続けるための場所を探す必要がありました。
このとき産業考古学展示用のスペースが確保され、一部の展示品がチェントラーレ モンテマルティーニに一時的に移されました。現代の「遺跡発掘現場」に芸術作品を展示するアイデアが功を奏し、その後もこの場所で展示されることとなりました。異彩を放つ第二展示エリアでは、機械、バルブ、圧力計を背景に、胸像や大理石の彫刻が展示されている対照的な光景が広がっており、独特ながら狙いどおりの効果を演出しています。チェントラーレ モンテマルティーニまでは、オスティエンセ通りからバスに乗るか、ガルバテッラ駅から歩いてすぐです。
所在地 : Via Ostiense, 106, 00154 Rome, Italy
営業時間 : 火 ~ 日 : 9:00 - 19:00 (休館日 : 月)
電話番号 : +39 06 0608
地図写真提供 Jean-Pierre Dalbéra (CC BY 2.0) 修正済
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フラミニオの「小さなロンドン」
ノッティングヒルのような雰囲気が漂うローマの地区
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フラミニオには、住宅、庭園、玄関すべてが英国式で、ローマとはかけ離れた雰囲気を放つ有名な通りがあります。永遠の都の中心部にある英国風の雰囲気から、「ピッコラ ロンドラ」(小さなロンドン) の愛称で呼ばれるセレンタノ通りを訪れてみましょう。フラミニオ地区の道路には大きな建物が建ち並んでいるため、通りがよく見えず、見逃しやすいので注意しましょう。
都会の喧噪から離れ、まるでノッティングヒルをミニチュアで再現したかのような雰囲気が漂います。この名所を手がけたのは、市長のエルネスト ネイサンと建築家のクアドリオ ピラーニでした。2 人は、ヨーロッパの大都市に匹敵する近代的な国際都市をつくることを目指し、この試みを始めました。それ以来、フラミニオは英国風の雰囲気漂うエリアになったのです。
所在地 : Via Bernardo Celentano, 00196 Rome, Italy
地図 - 9
ヴィラ トルローニア美術館
壮麗なリバティ建築を鑑賞
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ヴィラ トルローニアとカシーナ デッレ シヴェット (フクロウの家) を人々が訪れる大きな理由は、何と言ってもその建築と個性的な内装です。かつてはスイスのロッジに形の着想を得た素朴な建物でしたが、一連の修繕、増築、改築を経て、アールヌーボーの美しい建物に生まれ変わりました。家具やエッチング、彫像、動植物の形をした漆喰やマヨルカ焼きも、目を見張るものがあります。
精巧に作られた窓は、おとぎ話のような雰囲気を醸し出しています。たびたびフクロウがテーマになっていることに気が付くでしょう。そのため、この名前が付けられました。このコテージは、アレッサンドロ トルローニア王子が余暇を楽しむ場所として建てたものですが、現在の姿は甥のジョヴァンニの功績によるものです。秘儀的な象徴主義を好んでいたことから、ほとんどの装飾にフクロウが入っています。
所在地 : Via Nomentana, 70, 00161 Rome, Italy
営業時間 : 火 ~ 日 : 9:00 - 19:00 (休館日 : 月)
電話番号 : +39 06 0608
地図 - 10
ジャスミン ウォーク
バチカン近くの魅力的な遊歩道
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ローマのジャスミン ウォークを訪れると、ミケランジェロのドームを珍しい視点から眺め、個性的なアングルで写真を撮ることができます。サン ピエトロ駅に向かいますが、電車には乗りません。駅に入ったらすぐ右に曲がります。1 番線に沿って進み、パッセッジャータ デル ジェルソミーノ (ジャスミン ウォーク) に入ります。
この 1 km におよぶ遊歩道は、バチカン市国の市壁沿いの階段、ランパ アウレリアにつながっています。この遊歩道では、イタリアとバチカン市国を結ぶ古い鉄道の線路をたどることができます。かつてローマ教皇が使用していた重要な経路でしたが、新しい交通手段の出現により使われなくなりました。そのため、プラットフォームは閉鎖され、歩道になりました。左手には、現在も使われている貨物専用鉄道、右手には大聖堂の素晴らしい景色を見ることができます。
所在地 : 00100 Rome, Italy
地図写真提供 Ragusaibla (CC BY-SA 4.0) 修正済