茶の湯とともに発展した懐石料理や、中国仏教の影響を受けた精進料理など、歴史を感じる伝統の食文化が花開いた京都。板前の技が光る京料理は見た目も美しく、まさに食べるアートといえるでしょう。京都を訪れたなら、ぜひ一度は凛とした雰囲気の中で本格的な和食をいただいてみたいものです。もちろん、京都で楽しめるグルメはそれだけではありません。気軽に食べられる麺類やおばんざいなど、ご当地グルメも含めた庶民的な味覚もご紹介します。

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    京懐石

    茶事や茶会の席で提供される料理が懐石料理です。空腹時に濃茶を飲んでお腹に負担をかけることのないよう、懐に石を入れるように、あらかじめ軽い食事でもてなした茶の湯の伝統に始まります。京都では、さまざまなお店で京野菜や京都ならではの工夫をこらした川魚などを用いた京懐石を味わうことができます。格式の高い京懐石を気軽にいただくには、ランチがおすすめです。2013 年にはユネスコの無形文化遺産にも登録された和食の真髄を、一度は本場で味わってみたいもの。なお、京懐石は基本的に予約が必須です。

    写真提供 Hiroyuki Hosokawa (CC BY-SA 2.0) 修正済

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    にしんそば

    京都で年越しそばといえば、にしんそばが定番です。海から遠い京都では、江戸時代、北前船によって運ばれた北海道産の「身欠きにしん (みがきにしん)」をはじめとした干物が貴重な栄養源でした。このため、伝統的に干物を丁寧に加工した料理が発展しました。何日も時間をかけて骨まで柔らかくなるよう煮含めた「にしん」の甘露煮を、温かいそばの上に乗せた「にしんそば」もそのひとつ。歌舞伎を見に来たお客さんがすぐに食事できるよう、1882 年に祇園近くの芝居茶屋が考案したことに始まります。

    写真提供 MIKI Yoshihito (CC BY 2.0) 修正済

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    精進料理

    ベジタリアンの料理にもさまざまな種類がありますが、精進料理はとくに禅宗のお寺で発達したもので、中国仏教の影響を色濃く受け継いでいます。動物性の食材を使わず、また五葷 (ごくん) と呼ばれる匂いの強い食材 (にんにく、ねぎ、にら、たまねぎ、らっきょう) の使用を避けることが特徴です。京都でお寺にお参りするなら、ぜひ精進料理をいただいてみたいものです。妙心寺の塔頭である東林院や退蔵院、そして天龍寺、萬福寺、龍安寺、智積院などが有名です。珍しいスタイルの精進料理が鉄鉢料理です。これは禅僧が使う托鉢用の器をかたどったものに料理を盛り付け、食べ終わるとすべての器をひとつに重ねることができるもので、その起源は遠くインドまでさかのぼります。

    写真提供 663highland (CC BY-SA 3.0) 修正済

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    湯豆腐

    しんしんと底冷えする冬にいただきたい、ほっこり温まる豆腐料理が湯豆腐です。南禅寺の精進料理から広まったといわれ、門前には多くの湯豆腐専門店が並びます。豆腐のおいしさを決めるのが、その成分のほとんどを占める水の質だといわれますが、京都の地下水や湧き水はまろやかな軟水のため、繊細な豆腐の味をうまく引き出すことができるのです。昆布を敷いた鍋に水を張り、豆腐を温めていただく湯豆腐は、素材そのものを味わう健康食。手間を惜しまぬ昔ながらの製法でつくられた豆腐をぜひ味わってみたいもの。

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    おばんざい

    おばんざいとは、京野菜など、季節の食材を無駄なく使った京都の日常の家庭料理で、出汁をベースにした味付けが一般的です。料亭や懐石料理はちょっと敷居が高いけれど、おいしい京料理を気取らず味わいたいときにぴったりです。京野菜や豆類、乾物などをふんだんに使ったおばんざいは、おいしいだけではなく、とてもヘルシー。カウンターに並んだ大皿から、好きなおばんざいを注文するスタイルのお店も多いため、グラスを片手に気ままに好みのものをいただきましょう。

    写真提供 Washoku Press (CC BY-SA 2.0) 修正済

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    くずきり

    祇園の花街にあった老舗の和菓子店が、得意先だけに配達していた甘味が評判を呼び、今では京都を代表するスイーツとなった「くずきり」。吉野葛と水だけでつくられた細長いくずきりを、麺を食べるようにコクのある黒糖の蜜でいただくのが一般的です。なんと、賞味期限はつくってから 15 分ほどというから驚きです。透明で涼しげなくずきりは、夏の風物詩ともいえる和のお菓子。この味を目当てに訪れるリピーターも多い甘味なので、とくにハイシーズンや週末は、人気店の場合並ぶことも覚悟して出かけましょう。

    写真提供 uemura (CC BY 2.0) 修正済

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    牛カツ

    関西の食文化では、「肉」といえば牛肉を意味するほど、豚肉よりも牛肉が好まれます。近年は関東でも人気を呼んでいる牛カツは、肉の赤みが残るほどミディアムレアに仕上げた京都発のご当地グルメ。スライスした牛肉に薄くパン粉を付け、さっと短時間で揚げた牛カツは、店によっては好みの部位を選んで注文できる場合もあります。また合わせるタレや薬味も、わさび醤油や山椒塩、岩塩、ソース、大根おろしなどさまざまですが、和風の味付けでいただくスタイルが一般的です。

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    鯖寿司

    鯖寿司 (さばずし) といえば、京都を代表するお寿司です。海が遠い京都では、かつては若狭湾に上がったサバが傷まないよう塩漬けにし、鯖街道と呼ばれる道を通って丸一日かけて京都まで運ばれました。この塩サバを一本まるごと使ってつくるのが鯖寿司で、京都ではおめでたい日のごちそうでした。保存技術の進んだ現代でも、鯖寿司は特別な料理として独特の存在感を示します。鯖寿司の元祖といわれる老舗が祇園にありますが、錦市場をはじめとしてさまざまな場所でも味わえるほか、京都の人気のお土産であることから、駅やデパートでも販売されています。

    写真提供 MemColorLab (CC BY-SA 4.0) 修正済

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    京都ラーメン

    京都は、知る人ぞ知るラーメンの激戦区。京料理の印象から、あっさりとした味付けというイメージがありますが、実は京都ラーメンは豚の背脂を用いた濃厚な味わいが特徴です。新横浜ラーメン博物館のデータによれば、(1) 濃口醤油味の豚ベースのスープ、(2) 鶏ベースに野菜等を加えたスープを煮込んだもの、(3) 鶏ガラスープに大量の豚の背脂を加えたもの、という大きく 3 つの流れに分けることができるといいますが、いずれも「こってり系」ばかりです。街あるきをしていたら、必ずラーメン屋さんの華やかなのぼりや看板が目につくはず。実力派揃いの京都ラーメンのお気に入りをぜひ見つけてください。

    写真提供 Yusuke Kawasaki (CC BY 2.0) 修正済

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    はも

    厳しい京都の夏を乗り切る味覚の筆頭が「はも料理」です。身は上品な白身で美味ですが、小骨が非常に多いため、皮一枚残すように、身に細かく包丁で切れ目を入れる「骨切り」という独特の下ごしらえを施さなければなりません。はも料理の味を決める骨切りは、料理人の技量が問われる重要なテクニックです。京都の夏の風物詩である祇園祭は、別名を「鱧祭 (はもまつり)」と言われるほど、はもは京都の夏に欠かせない味覚です。代表的な食べ方は、「しゃぶしゃぶ」や、さっと湯引きしたはもを梅肉だれでいただく「はもの落とし」です。割烹など、和食の専門店を予約するのがおすすめです。

    写真提供 Nullumayulife (CC BY 2.0) 修正済

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